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6月19日 5・6限 化学ロβ1組 教材①解答

 [ 1 ] 過マンガン酸カリウムが硫酸酸性条件で酸化剤として働く事例

① 過マンガン酸カリウムは化学記号で表すと KMnO4 

② 過マンガン酸カリウムを水に溶かすと電離し, K+ イオンと, MnO4 イオンに。

③ マンガンを含んでいるイオンはそのうち, MnO4 イオン(赤紫色)

④ このイオンは,反応すると Mn2+ イオンに変化する。(うすい桃色〜無色)

⑤ 以上より,過マンガン酸イオン MnO4 は,硫酸酸性条件下で酸化剤として働き

マンガン(II)イオン Mn2+ に変化する。

⑥ 過マンガン酸カリウムが,硫酸酸性条件下で働くとマンガン(II)イオンになる。

  MnO4− → Mn2+

⑦ このときの様子を図にすると以下の通りである。

⑧ 酸素は,単体でない限り酸化数は − 2 である。

⑨ これより,左辺のOとMnの酸化数を決定すると以下の通りである。

⑩ 上の図から,マンガンの酸化数は, +7 から +2 に減少している。

⑪ よって,吸収している電子は 5 e−である。

⑫ これを図にすると以下の通りである。

⑬ MnO4のまわりについている酸化物イオンO2は,硫酸で酸性にして,H+を与える

 ことで,H2Oとしてはがす。そのため,一つの酸化物イオンO2をはがすには,

 水素イオンH+は, 2 個必要である。O2 + H+ + H+ → H2O

⑭ そのためこの場合,4個の酸化物イオンをはがすために,水素イオンは 8 個必要。

⑮ これを図にすると以下の通りとなる。

⑯ よって,この図より,MnO4は,1個あたり, 5 e−と, 8 H+を吸収し,

  Mn2+1個と, 4 H2Oを放出することが判る。

⑰ 以上をまとめると以下の半反応式となる。

  MnO4 + ( 5 )e− + ( 8 )H+ → Mn2+ + ( 4 )H2O

⑱ もう一度全て自分で書くと以下の半反応式となる。

     MnO4 +5e− + 8H+ → Mn2+ + 4H2O  

⑲ ここで,酸化物イオンO2をはがすための酸は,強酸であれば何でもいいように見える。

 強酸は他に 塩酸(HCl水溶液)や 硝酸(HNO3水溶液)があるが,

 これらは硫酸の代わりに 使えない 。

⑳ それは,塩酸(HCl)のCl−は 2Cl→Cl2 + 2e− として電子を放出する 還元 剤,

  硝酸(HNO3)のNO3は NO3 + 4H+ + 3e → NO + 2H2O として電子を吸収する

    酸化 剤になるため,酸化物イオンをはがす以外の余計な反応をするから。

【教科書の手法との整合性の確認】

❶ 過マンガン酸カリウムKMnO4は水中で電離して K+ と MnO4 になる。(暗記)

❷ 酸化剤として働く場合,MnO4 は, Mn2+ になる。(暗記)

❸ これを式にすると以下の通り。MnO4 → Mn2+

❹ ここで左右の酸素Oの数を比較すると,左は 4 個,右は0個である。

❺ 酸素Oを取り去るには酸性条件なら普通 H+ イオンを加える。

❻ つまり,4個の酸素Oを取り去るには,水素イオンH+ が 8 個必要。

❼ 水素イオンH+を8個与えて酸素Oを4つ取り去ると,水H2Oは 4 個出来る。

❽ 以上を式に書き入れると,MnO4 + ( 8 )H+   → Mn2+ +  ( 4 )H2O

❾ 次に左右の±の合計を比較してみる。

  左は,MnO4が −1,8H+ が+8なので,これをたすと,−1 + (+8) =  +7 

  右は,Mn2+が +2,H2Oが 0 なので,これをたすと, +2 + 0 =  +2 

❶ つまり,+7が+2に減っているため,左側から5を引けば良い。

  つまり左辺に, 5 e を足せば良い。

❷ 以上より,まとめると,MnO4 + ( 8 )H+ + ( 5 ) e− → Mn2+ +  ( 4 )H2O

❸ もう一度自分で書くと以下の通り。  MnO4 +5e− + 8H+ → Mn2+ + 4H2O  

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